迷走する“著作権”――そして“共有”

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0405/22/news012.html

 アンチコモンズの悲劇は、「コモンズの悲劇」というモデルを踏まえて提唱されたもの。コモンズの悲劇とは、例えば村人が自由に牛を飼える共有地があったとする。飼う数を各人とも一定以下で我慢すれば問題は起こらない。しかし誰かが自分のことだけを考えて牛を増やすようになり、別の人も対抗上同じことをするようになると、次第に牧草が減り、いずれは牧草が生えなくなってしまう。「P2Pの使用によってネットワークが渋滞するのはこれと同じだろう」。

 一方、アンチコモンズの悲劇とは、牛に牧草を食べさせるだけの権利、水を飲ませるだけの権利、土地に立ち入るだけの権利……と権利を細分化させてそれぞれ別の村人に与えるモデル。これでは不便で誰も共有地に寄り付かなくなり、これまた土地は死んでいく。「今の著作権制度がこれだ」。